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マンションのディスポーザー交換問題

次のお問い合わせを多数いただいています。
「元々マンションに付いているディスポーザー。違うメーカーの機種に交換できますか?」というもの。
できます。
宅内の設備ですから、ご自身で選択し、好きな機種に交換できます。
また使用しないのであれば、ディスポーザーを撤去して通常のキッチン排水に戻すこともできます。
ところが。
ある大規模マンションで居住者に以下の通達がされている事を確認しました。
・交換機種は〇〇社と決まっている。
・別な機種にすると配管や浄化槽に影響がある。何かあったら責任を取ってもらう。
・自動給水式のディスポーザーでないと使用してはいけない。
・ディスポーザーの交換には水栓の交換も必要だ。
・ディスポーザーの撤去も禁止する。
つまり、このマンションではディスポーザーが故障した場合、高額な指定機種に交換する以外の選択肢がないのです。
上記の通達には多くの問題が含まれています。
ディスポーザーは居住区内の宅内設備ですから、通常のマンションでは居住者の判断に委ねられています。
ディスポーザーは単なる粉砕機です。
正規に販売されているものなら、どのメーカーのどの機種に変えようが、それが原因で配管や浄化槽への影響を起こすなどあり得ません。
これは同じく排水する食洗機や浄水機を特定のメーカーに指定している位不自然なことです。
ディスポーザーの情報不足を突いて「配管や浄化槽に何かあったら責任を取ってもらう」と半ば脅しのように指定メーカー機種の斡旋が、実際に行われています。
自動給水の装置も不要です。
これは自動的に流れるトイレと同様で、一般的なディスポーザーにはない装置です。
その為に高額な機種を選択する必要もなければ、水栓まで指定品に交換する必要もありません。
最も危険なのは、上記の説明を管理人さんがしてしまうことです。
悪意がなくても虚偽説明になり、高額な売買契約に介入してしまうことです。
機種交換で配管に影響を及ぼす根拠などなく、テストデータも存在しません。
この説明では不実告知(事実と違うことを告げての誘導契約)に該当し、知識のある居住者側が消費者センターに相談した場合、一斉クーリングオフに発展する可能性があります。クーリングオフは購入後でもさかのぼっての解約が可能です。
また管理会社側の反論として、入居時の約款を持ち出されることがあります。
約款に「宅内設備は指定メーカーのものに限る」といった内容の一文です。
これも公正取引委員会の定める独占禁止法に該当している可能性があります。
東京都では平成30年4月からディスポーザ排水処理システムに関する取扱要綱が、機種の選択が自由であることを明示したものに改定されています。
管理人さんは知る由もなく、多く方も知りません。
「ディスポーザ排水処理システムに関する取扱要綱」の改正について
間違った説明や認識で、居住者に大きな負担が生じるのは正常ではありません。
他機種への交換や撤去して通常の排水に戻すことは、技術的に何も問題はありません。
※マンションディスポーザー交換問題の詳細は、Wikipediaにより詳しく掲載されています。