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修理屋のみぞ知る、良いキッチンメーカー

業務上、数多くのキッチンを見てきています。
当然ながら新しいものは、どのメーカーも良いのです。
その真価が現れるのが10-20年後。
その中で「自分の家のキッチンリフォームをするとしたらこのキッチンメーカーがいいな」と思うメーカーがあります。
タカラスタンダードです。
決してメーカーのまわし者ではありませんよ。
いいな、と思う理由は以下のところです。
1.排水栓を外した溝の部分にコーティングがなされている
普通こんなところは外しませんから、見ることはないでしょう。
ディスポーザー交換の作業員でないと知り得ない箇所です。
(下写真)でもこの段差部分、実は塩素系漂白剤など残留しやすい隙間であり、ステンレスのシンクで最も錆が発生しやすい箇所、いわばシンクの弱点なんです。
「ステンレスは錆びない」と思っている方・・・錆びます!
もちろん最初の数年は問題ありません。
10年も過ぎると下の画像のように排水栓の裏に錆がでてきます。
このままだとやがて小さな穴が各所にあいてしまい、水が滲んで漏水します。
ほとんどのステンレスシンクには目立たなく貼ってある注意書きのシール(上写真)があり、塩素系漂白剤は使用しないよう記されています。
それでもハイターなどは便利ですから、多くのご家庭で使ってしまうもの。
その塩素系漂白剤の残りがどうしても留まる箇所であり、使用頻度の高いご家庭でサビてやがて穴が開き漏水します。
この誰も見ないサビつく箇所にコーキングをしているのがタカラスタンダードだけ。
ほんのわずかなひと手間ですが、これにより十数年後の耐久性が上がるのです。
この1箇所をみただけで、何年も先の耐久性を考えたモノづくりをしていることが伺い知れます。
他にもコストカットされたキッチンは、引き戸収納を外した中の底板がペコペコのベニヤ板だったり、扉の脱着ができない金具が採用されていたりします。
タカラスタンダードのキッチンは使用者が見ないところ、違いがわからないところに手を抜いていない印象です。
2.故障リスクのある装置をあえて採用していない
メーカーによってはキッチンの機能にモーターを使用しています。
例えばシンク下の引き戸収納が自動で開くものとか、水栓にセンサーを付けるなどの電子制御です。
便利かもしれませんが、モーターには寿命がありますのでいつか必ず故障します。
十数年後のその時に果たして部品交換が可能かどうか。
タカラスタンダードのキッチンはシンプルで、素材と部品にコストがかけられています。
「一生モノのキッチン」というコピーも頷けます。
3.施工での手抜きがない
おそらくキッチンの施工はメーカー側ではなく提携業者さんの問題かもしれません。
こればかりは、たまたまかもしれませんが。
タカラスタンダードのキッチンが納品されている現場ではこれらの手抜きがみられません。
キッチンリフォームの際に多くみられる手抜き施工、最も多いのは次の3つ。
①シンク下にコンセントを設置しない。(電源はあるのにコードをひな段の中に入れっ放し。壁にコンセントの差し込みタップを付けていない)
②排水がジャバラホースで高圧洗浄対応の塩ビを使っていない。(下写真・左がジャバラ、右が塩ビ管接続)
③水栓フレキホースの受けバケツがない。(十数年後フレキホースの劣化で亀裂が入った際シンク下が水浸しになります)
ただややこしいことに、実はこれら一般的には手抜きとみなされていません。
この施工でも基準を満たしていて、一応OKなのです。
①がないとディスポーザーのリセット(コンセントの抜き差し)が簡単にできません、見栄えも悪いです。
②はマンションでは定期的に実施される高圧洗浄ができないばかりか、劣化に応じて交換が必要です。※塩ビ管は半永久です。上の写真(左)のようにホースでは高圧洗浄すると破けてしまいます。
③は伸びるタイプの水栓のシンクの下についている、金属のホースを格納するバケツです。
これがないとフレキホースやパッキンの劣化の際に水が漏れた際、シンク下が水浸しになります。
こうした一般の人では気がつかない箇所での手間の惜しみ、コストカットは、10年後、20年後の耐久性に大きな違いがでてきます。
キッチンのみならず、すべてもモノにおいて、たとえカタログに載っていなくても大切な箇所があるのでしょう。
ディスポーザーもしかり、専門店として最良のご提案を心掛けます。